怠け者サラリーマン投資日記

30代サラリーマンである筆者が、資産運用(株、債券、不動産など)や不労所得について語るブログです。

【次期FRB議長】米大統領がパウエル氏を指名 ⇒ 今後の米金融政策と相場の行方は?

先日、トランプ大統領が次期FRB議長としてパウエル氏を指名することを決定しました。

次期FRB議長を巡っては、パウエル氏とテイラー氏の一騎打ちの様相を呈していましたが、最終的には政策的にイエレン氏と近いパウエル氏が候補者レースに勝利したという格好です。

早速、同氏について深堀していきたいと思います。

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出所:Reuter

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パウエル氏の経歴

時系列的に同氏の略歴を記載すると下記のようになります。

  • ワシントンDCで生誕
  • プリンストン大学でBachelor of Politicis(政治学士)を取得
  • ジョージワシントン大学にてJuris Doctor(法務博士)を取得し、弁護士としてキャリアをスタートさせる
  • ジョージ・HW・ブッシュ政権下で、財務次官に就任
  • 米投資ファンドのカーライルにてパートナーに就任
  • オバマ政権時代にFRB理事に就任。現在に至る

FRB議長にまで登りつめる人物なのですから、当然でしょうがエリートなキャリアを歩んでいることが分かります。

特徴があるとすれば、経済に関するアカデミックなバックグランドが無い点でしょうか。

現議長であるイエレン氏はイエール大で経済学博士を取得していますし、イエレン氏の前任であったバーナンキ氏もMITで経済学博士を取得しています。この事から、最近ののFRB議長の傾向として、経済学のアカデミック出身者に引き継がれていました。

しかし、パウエル氏は法律家出身であり、経済系のアカデミックなバックグラウンドは持ち合わせていません。

Financial Timesの記事によると、パウエル氏がジョージ・HW・ブッシュ政権における財務次官や、カーライルでパートナーの経験もある事から、政府部門と民間部門における経験が豊富であったことが、トランプ大統領のお眼鏡にかなったと書いています。

以下、FT記事抜粋

One senior White House official said Mr Powell’s business experience, forged in positions including the one at Carlyle, had been very important when it came to deciding on who should get the Fed job.

“The extensive business background was something the president respects and appreciates,” the official said. 

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今後の金融政策の方向性と相場行方

同氏の政策として、以下のような事が言われています。

  • イエレン氏の政策と近く、現行の緩やかな利上げを支持
  • 金融規制緩和に対して前向きな考え

これらを踏まえて、今後の相場の行方について考えてみます。

現行の緩やかな利上げを支持

まずは株式からです。

株式相場としてはポジティブな要因であり、暫くは米国含む先進国の株式市場は高値圏で推移していくものと思われます。

リーマンショック以降は、中央銀行の緩和策が資産市場を支えている側面もあるため、過度な利上げはマイナス要因として作用してしまう事から、仮にテイラー氏がFRB議長に任命された場合は、このリスクが懸念されていました。

しかし、パウエル氏が就任した場合は現行の利上げ路線を踏襲するため、株式含む資産市場は好意的に受け止めており、ネガティブサプライズは回避できたと言えそうです。

次に、為替(ドル円)です。

急激な利上げがなくなったために、ドル高の一辺倒になる展開はほぼ無くなりました。

今後の展開としては、一部のドル高を見込んでいたポジションの巻き戻しにより、若干の円高に振れる局面もある感じだと思います。

一方で、市場全体がリスクオンに傾いている事から、円高の幅も限定的だというのが市場の見方のようです。

日銀が緩和を継続している事も考慮すると、今後のドル円水準も徐々に切りあがっていくイメージ観を筆者は持っています。 

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金融規制緩和に対して前向きな考え

パウエル氏は、金融規制の緩和に対して前向きな考えを持っていると言われています。

現議長のイエレン氏は規制緩和に対しては反対していますが、トランプ大統領としては規制を解除していきたいと考えており、パウエル氏が次期FRB議長として、規制緩和に対してリーダーシップをとる事を求められているようです。

規制緩和に対して最も恩恵を享受するのは米国の金融機関である事は言うまでもないので、米国の金融機関の株式に対してはポジティブな要因になります。

一方で、今後は規制緩和に向けた具体案策定に向かうため、どの程度具体的に規制が解除されるかは不透明感が残ります。

従って、パウエル氏就任というニュースだけで、全力で買いを仕掛けるには材料が足りないと言えそうです。

 以上、パウエル氏就任に伴う相場の方向性について記事にしてみました。今後もアップデートがありましたら、ブログに書いていきたいと思います。

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