怠け者サラリーマン投資日記

30代サラリーマンである筆者が、資産運用(株、債券、不動産など)や不労所得について語るブログです。

1万円札の原価は約20円(残りの9,980円は信用)⇒この信用は、今後も安定か?

今回は小ネタのご紹介です。

早速ですが、一万円札の製造コストはご存知でしょうか。約20円です。

教科書的な言い方をすれば、残りの9,980円については、日本銀行が一万円札に対して信用を付与しているという事になります。

そもそも、お金って何でしょうか?考えていきたいと思います。

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そもそも、お金とは?

一万円札を例にとると、日本銀行がただの紙ぺらに対して信用を付与する事で、その価値が一万円と同等のものにされたものが紙幣とされています。

平たく言うと、日本銀行が国民に対して、「この紙ぺら自体の価値は20円しか無いけれど、日本銀行が残りの9,980円分の信用を付与するから、この紙ぺらの価値を1万円として扱ってください」と言ってるようなものです。

そして、この日銀の信用付与を受けて、筆者含む日本国民は「この紙ぺらには1万円の価値がある」と信じて、日常生活を営んでいると言えます。

もちろん、こんな事を意識している人は流石に少ないと思います。意識しているのは財務省役人や日銀行員くらいでしょうか。

ここまでは雑学の範疇で、雑学マニアな方であれば、既にご存知の方もいらっしゃると思います。

次に、この事実について、もう少し掘り下げて考えたいと思います。

 

日銀による信用は、これからも信用できるか?

 日銀による信用が付与された紙ぺらが紙幣である事は理解できましたが、次のような疑問が浮かび上がってきます。

日銀の信用は、将来も信用し続けてよいのか?

つまり、将来において、何かの拍子で日銀に大きな危機が生じた場合でも、我々は日銀を信頼し続けますか、という事です。

将来の事は実際に起こってみないと誰にも分かりませんが、過去の類似事例を参考にすることはできそうです。

類似事例として、第一次世界大戦後のドイツの例を見てみたいと思います。

戦後のドイツでは急激な通貨安が進行

ご存知の方もいるかもしれませんが、第一次世界大戦においてドイツは敗戦国となり、戦勝国に対して多額の賠償金を工面する必要がありました。

現在のドイツの通貨はユーロが用いられていますが、当時はマルクと呼ばれる通貨が自国通貨でした。

賠償金を工面するために、ドイツ政府は大量の国債を発行して、中央銀行(ドイツ連邦銀行)に購入させました。

結果として、中央銀行が大量のマルクを印刷して、そのマルクでドイツ国債を購入する事になるため、大量のマルクが世の中に供給される事になりました。

その次に何が起きたかと言うと、大量のマルクが出回った事で、マルクの価値が急落して、強烈なインフレが起きました。

つまり、ドイツ国民のマルクに対する信用がガタ落ちした事で、昨日まで1マルクで買えた物が、今日は2マルクになっている状況です。このような状況をハイパーインフレとかって言ったりします。

ハイパーインフレにおいては、物価が日を追うごとに上昇していくので、庶民は紙幣に対してもはや価値を感じなくなるために、紙くず同然となります。

参考までに、当時のドイツの状況を映す写真を引用しておきます。

街中に捨てられた紙幣

 

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お金をリヤカーで運ぶ人(ハイパーインフレなので、かなりの額面の紙幣が必要)

 

10兆マルク紙幣(ハイパーインフレなので、超高額紙幣でないと日常生活が不便だから)

 

(出所:NAVERまとめ)

お金が紙くず同然!?ドイツでおきたハイパーインフレとは - NAVER まとめ

  

円預金を持つことは、日銀の信用を買ってる事と同じ

日本人の資産の大部分は円預金と言われていますが、言い換えると、日銀による信用を買っているのと同じ事だと言えます。

逆に言うと、戦後のドイツのように紙幣価値が急落する場合は、預金はもろに影響を受けます。

こつこつ節約して貯金した100万円が今時点であったとしても、将来時点にハイパーインフレが生じた場合、タクシーの初乗りが100万円になる状況も当然あり得るわけですから。

筆者含む庶民は、政治家・役人・日銀行員でもないので、将来迫りくるハイパーインフレを止める事はできませんが、自分の資産を守る事であれば対策が取れます。

サラリーマンを嫌々我慢しながら稼いだ給料が、ハイパーインフレで価値がゼロになる事態を想像してみてください。何のために苦労して稼いできたか分かりません。

円高・株安傾向が強い今のうちに、資産を分散させておくことも考慮すべきだと思います。

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