【雑記】アート投資について考えてみた
私事ですが、先日、美術館に行ってきました。妻の知人からチケットを頂いたので、行ってみることにした次第です。
なので、筆者が芸術に精通しているとかではないです。寧ろ、芸術に対してはド素人で、芸術とほとんど接することなく、約30年間生きてきました。
その美術館では、レオナルドダヴィンチとミケランジェロに関する展示会を開催しており、年配の方、筆者のようなDINKS夫婦、芸大生っぽい若い人などで長蛇の列を作っており、入館するのに30分くらい待ちました。
ルネサンス時代という大昔に制作された絵画や彫刻に対して、現代人(しかも日本人)がこれほどの興味(=価値)を感じている事は、単純にすごいことだなと思いました。
ということで、アート投資について調べてみました。
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アート投資は怪しげな世界か?
アート投資に対する筆者の正直なイメージは、超金持ちの道楽や、バブル時代に大企業が見栄を張るために応接室に飾るもの、くらいの感じしかありませんでした。
現に、バブル時代には海外オークション業者を通じて、印象派画家の作品が大量に取引されていたようですし、2000年代もリーマンショック以前までは、富裕層を中心に、現代アート市場が国内で活況だったようです。
そのため、筆者自身、美術館に足を運んで美的感覚を磨くことはあっても、それを投資目的で購入するなんてことは考えた事もありませんでした。
筆者の周囲を見渡しても、金融資産(株・債券・REITなど)や実物資産(不動産・貴金属など)に投資している人は見かけますが、絵画に投資している人には会ったことがありません。
こんな感じで、庶民レベルでは馴染みが薄い存在であるアート投資ですが、実際はどうなんでしょうか。
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欧米では、アートは一般的に認知されている投資対象。その理由は?
まずは、アート投資の原点になっているであろう欧米の事情について見ていきたいと思います。
一般的に、欧米ではアートへの投資は特別な事ではなく、一応は市民権を得た投資対象のようです。
しかし、代表的資産と言われている株式・債券・不動産・金などと比べると、絵画は金利も生まないですし、流動性も低いので瞬時に売却する事もできません。加えて、一朝一夕で価格が変動するようなこともありません。
それでも、アートに投資する理由は一体何なのでしょうか。
それは、次の2点が挙げられます。
- 将来、価値が数百倍~数千倍になる可能性を秘めている
- アートは部屋に飾ることが出来るので、持っているだけで楽しめる
将来、価値が数百倍~数千倍になる可能性を秘めている
ざっくり言うと、投機です。
景気が良い時に、日本でアート投資が流行った理由も、これだったのでしょう。
でも、投機目的でやるにしても、よっぽどの鑑識眼がないと無理でしょう。下手なものを掴まされるのがオチです。「なんでも鑑定団」の世界ですね。
一例として、ゴッホの「ひまわり」は、現在では数十億円の価値があるそうですが、描かれた当初は庶民でも買える値段だったようです。
ゴッホ作 「ひまわり」(出所:wikipedia)
しかし、アートが投機対象になり得るから、欧米でアート投資が市民権を獲得している、とうわけではありません。
欧米人がアートに投資する本当の理由は、次に紹介する理由が背景にあるからです。
アートは家に飾ることが出来るので、持っているだけで楽しめる
これが、投資する理由です。投資というか、趣味みたいなものですよね。
もちろん、アートを楽しむ一方で、価値が上がれば売却するというマインドも持ってるようです。投資と趣味が半々といった感じです。
この観点は、アート特有ですね。株や債券は、保有してもオンライン上の電子的な数字の羅列です。不動産であっても、所詮はただの建築物で、見ているだけで楽しいという感情は出てこないでしょう。
絵画に代表されるアートは、保有している間、部屋に飾ることが出来るので、少なくとも保有しているだけで楽しむ事ができます。
なので、欧米でアート投資というと、最初から値上がりを狙っているわけではありません。
まず、アートを楽しむという娯楽としての位置づけが最初にあり、その後に、価値が上がれば売却することもできるから、長期的な投資対象としても見ることができる、といた感じのようです。
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【筆者の考え】原則、アートは楽しむもの。投資としてはナシ。
ここまでアート投資についてツラツラ書いてきましたが、結局はここに着地します。
芸術に対する筆者の感度が物凄く低い事もあるかもですが、アート自体は定期収入を生まないですし、将来的な値上がりが見込めるにしてもギャンブル的要素を含んでいる事を考慮すると、投資としてはナシだと考えます。
もちろん、アートに対する超人的な鑑識眼が備わっている人は別でしょうが。テレビの「なんでも鑑定団」に出演している鑑定士の方々が、そこまで裕福でもなさそうなので、やはり微妙かと。
世界中の投資資産の中の一つとしてアートを位置づけたときに、殆どの資産がアートより高いパフォーマンスを出すと思います。世の中の全資産が買い占められて、世の中の供給がなくなった時に、ようやくアートを投資対象として見るのが、まともな投資家の感覚だと思います。
アートは投資対象としては最後の選択肢だということです。
なので、絵画などを購入するときは、まず第一に楽しむため。投資ではなく、消費として位置づける。そして、心の片隅に「将来、儲かるかも」と思っておく位が丁度よいのではないかと思いました。
期待すると裏切られるのが、世の常ですから。
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