怠け者サラリーマン投資日記

30代サラリーマンである筆者が、資産運用(株、債券、不動産など)や不労所得について語るブログです。

【書評】親世代のホワイトカラー信仰が、若年貧困の一因に ⇒ 背伸びする時代は終了&今後は等身大で生きられる時代に。

今回は書評です。

最近、日本の貧困が問題になってきているという話をよく耳にするため、日経新聞から出版されている貧困に関する書籍を読んでみる事にしました。

その中で、貧困に陥る要因の一つとして子供の教育費の高騰が指摘されていました。今回は、この点について、筆者の考えを書きたいと思います。

ニッポンの貧困 必要なのは「慈善」より「投 資」

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相対的貧困とは?日本における貧困の現状は?

本書によれば、貧困度合いを図るものさしとして、相対的貧困という指標が使われるそうです。

本書を読むまでは、筆者自身も相対的貧困というワードを知りませんでした。 

相対的貧困とは

「相対的貧困」とは、所得の中央値の半分を下回っている人の割合で、つまりその国の所得格差を表している数字です。

(中略)

平成21年度の日本の所得の中央値が250万円なので、125万円以下で生活している人が貧困ラインを下回っているということです。

そして、この相対的貧困に該当する日本人は約2千万人いるようです。

これは、日本の人口が約1億2千万人とすると、6人に1人は貧困状態に置かれているという事を意味しており、貧困はもはや一部の人たちの問題ではなく、社会全体の問題にまで発展してるという事です。

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【本書要約】教育費高騰の原因は、親世代の誤った考えに由来

ここからは、筆者なりに要約してみたものです。

本書では、貧困状態に陥ってしまう様々な要因(家庭環境、就職、病気、実家の借金など)を指摘しています。

その要因の一つに子どもの教育費の高騰を挙げています。

教育費が高騰している背景として、子どもに大学進学させて、卒業後はホワイトカラーの職業に就いてもらいたいと願う親が増加している、と書いています。

同時に、社会全体のホワイトカラーの求人数が、大学卒業者数を下回る実態もあり、親の洗脳によってホワイトカラーへの就職を夢見る大学生は、就職活動を通じて現実を知ることになり、競争に敗れた者たちは、ブラック企業への就職を余儀なくされる現実も描かれています。

大学進学率が低い一昔前までは、大学卒業者を受け入れる程度のホワイトカラーの求人数があったために、大学進学は教育投資として高いリターンを実現する手段に位置づけられていました。

しかし、現代のように大学進学率が高止まりしている状況下では、大学進学のリターンが徐々に低下傾向してきています。

一方で、ブルーカラーに就きたがる若年層は年々減少傾向で、町工場の求人の中では、高い年収を提示しているにも関わらず、日本人の応募者が少なく、仕方なく外国人留学生で急場をしのいでいるところも多いようです。

詰まるところ、世の中全体で求人の極端なミスマッチが起きているという状況です。

そんな状況にも関わらず、親世代は大学卒業してホワイトカラーに就くのが、子どもにとって幸せな生き方という幻想から抜け出せていないようです。

そして、この誤った幻想が世帯当たりの教育費の高騰に繋がり、その結果として、大学卒業後にブラック企業にしか就職できなかった若者を貧困へと追いやってしまいます。このようにして、貧困の連鎖が広がっているのが、日本の貧困の一側面だと主張しています。

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【筆者の考え】みんなが背伸びする時代は終了。これからは、身の丈にあった生き方ができる時代

ここからは、本書を読んだ後、筆者の考えです。筆者はDINKS世帯で、子供はいませんが、あえて考えを書いてみます。

まず、筆者の中では、日本の高度経済成長は完全に終了しており、これからは高度経済成長から獲得した豊かさを維持していく時代だという前提があります。

したがって、これ以上の経済成長は望めないですし、同時に、今までのように背伸びする必要もないと思います。言い換えれば、これからは身の丈に合った生き方をすれば良いということです。

従って、今後の学歴観やキャリア観についても等身大で考えればよくて、各人の能力にあった学歴や職業を選択していけばよい、というのが筆者の立場です。

当然ながら、リターンが見込めない教育投資も不要です。その分、金融資産に投資するなどして、将来、子どもに贈与するのも一つの選択肢だと考えます。

思考停止的に教育にお金を突っ込むのは止めて、教育も投資の一つとして捉えて、リターンの最大化させるという視点を持つのが重要だと思います。

以上、教育費に対する筆者の考えを書いてみました。

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