怠け者サラリーマン投資日記

30代サラリーマンである筆者が、資産運用(株、債券、不動産など)や不労所得について語るブログです。

【金価格】北朝鮮問題の後退感から1,300ドル割れだが、円建ては高値圏維持 ⇒ 円建て価格は、更に一段高となるか?

日本で生活していると、北朝鮮問題に関するニュースをほぼ毎日見るので、北朝鮮に対してアンテナが徐々に高くなってきているのを感じます。

しかし、マーケットに視点を向けると、北朝鮮問題は後退感が強まっており、代わりに、アメリカの金融政策やトランプ税制改革に焦点が移っており、リスクオンに傾いています。

そんな中、金価格に面白い動きが見えているので、記事にしていきたいと思います。

ずばり、ドル建ての金価格は急落していますが、円建てでは高値圏で推移しているのです(下グラフ参照) 。

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北朝鮮ミサイル発射直後は、ドル建て&円建てともに上昇

 

上のグラフは、8月14日の金価格(ドル建て&円建て)を100として、直近までの価格を指数化して、折れ線グラフにしたものです。

グラフ中のラベル表記で「NY金価格」がドル建てで、「国内金価格」が円建ての金価格を示しています。

 8月末から9月初めにかけて、金価格が上昇していますが、ちょうど北朝鮮が日本上空にミサイルを発射させたタイミングです。

ここで、NY金価格(=ドル建て)が上昇しているのは、単純にリスクオフから安全資産として金が買われたことを意味しています。

一方で、国内金価格(=円建て)も上昇しているのは、この時にリスクオフからドル円が下落していますが、その下落率と比べて、NY金価格の上昇率のほうが大きかったということです。

一般的に、NY金価格と国内金価格の関係は、次のように表すことができます。

(国内金価格)=(NY金価格)×(ドル円レート)

国内金価格は、NY金価格とドル円に依拠する関係性になっているという事です。

従って、NY金価格が上昇しても、ドル円が同じくらい下落した場合は、国内金価格はそこまで大きな変化をしないという事になります。

そして、つい最近までも、国内金価格はこのような挙動をしていました。要は、リスクオフでNY金が買われるも、ドル円も下げるから、日本人の金投資家としては、そこまで影響なし、みたいな感じです。

しかし、8月末の北朝鮮ミサイル発射では、それまでの動きを覆しました。

今まで通りNY金は購入されますが、肝心のドル円はそこまで下落せず、結果として、国内金価格は上昇したといった状況です。

こういう動きは、相場のトレンド転換を感じさせます。

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北朝鮮問題が薄れても、国内金価格は高値圏で推移

直近のマーケットでは、北朝鮮問題も幾分薄れてきており、代わりに、アメリカの金融政策やトランプ税制に焦点が移っている傾向です。結果として、ドル高や株高が生じています。

一般的に、金はドル高になると割高感から売られやすく、リスクオン時も下落する性質を持っています。

従って、最近のNY金価格(=ドル建て)も急落しており、節目の1,300ドルを割り込んでいます

一方で、国内金価格は高値圏を継続しています。これは、ドル円が112円近くまで上昇しているためです。

要は、NY金価格の下落するも、ドル円が同程度の上昇となっているために、差し引きで変わらずといった状況です。

言い換えれば、日本人の金投資家としては、円建て金価格は階段を一段上ったといえるかと思います。

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今後の相場見通し

金価格の今後の見通しについて考えていきたいと思います。

まずは、ドル建て金価格の話から。

はっきり言えそうな事は、ドル建て価格で1,300ドルを割っていますが、さらに下落する雰囲気は無さそうだと言うことです。

1,300ドル以上では、金の大口実需国である中国やインドにおいて、現地の貴金属店は閑散としており、高すぎて買えない状況が続いていました。

しかし、直近では1,300ドルを割っているため、ようやく購入できるといった感じでしょう。このような実需の存在により、ある程度下がったところでは、しっかりとした買いが入るので、ずるずると下げ渋る展開は考えにくいです。

次に、ドル円の話。

 

アメリカFRBが金融引き締め(BS縮小、12月利上げ観測)に動いている事、一方でわが日銀は相変わらず緩和維持で、しかも追加緩和観測まで浮上している様子。

北朝鮮問題などの一時的な円買いイベントは考えられるが、基本スタンスとしては、日米の金融政策の方向性の違いによる円安ドル高が大方の見方だと思います。筆者も含めて。

まとめると、NY金価格(=ドル建て)は下値限定的の中で、ドル円が上昇するわけなので、国内金価格(=円建て)は上昇すると見ています。

金関連アナリストである豊島氏も、円建て金価格に対してポジティブな立場をとっているようです。

(前略)

但し私の想定より早い。9月がピークで10月以降下げと見ていましたが、9月に1300ドル割れてしまった。

こうなると10~12月期には金が買い直される時期もあるかもしれません。単純に下げ続けるほど簡単な相場ではありませんから。12月利上げだってまだ確定ではないし、米国マクロ経済データが悪化すれば、ひっくり返る事だってあり得る。中国・インドの現物需要は下がったところで確実に増えます。 

それから私は118円までの円安を見込んでいるので、円建て金価格は逆に上がりそうです。

(後略)

金価格・日本株・ドル円見通し点検 | 豊島逸夫の手帖 | 純金積立なら三菱マテリアル GOLDPARK(ゴールドパーク)

アメリカ株の最高値更新やドル円上昇が騒がれており、円建て金価格はどちらかというと地味な存在かもしれませんが、人の行く裏に道あり花の山です。

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